筋肉痛でも床屋へ

 
 プー太郎生活59日目。プー太郎生活になって、初めて筋肉痛になった。

 むろん、昨日のミニレッスンの後遺症である。女性インストラクターが、
「軽いレッスンだけど、翌日、筋肉痛になるわよ」と言っていた通りであった。

 今日が閉館で良かったぜ。今日もミニレッスンに参加していたら、明日、鍼の名人に出前を繰り出したであろう。

 今日は筋肉痛を押して、床屋に行った。わしが通っている床屋は完全予約制だから、出前を取るわけにはいかなかったのである。

 予約したのは、午後2時であった。その床屋は中野にあるので、午後1時に家を出た。

 高田馬場まで西武線で行って、東西線に乗り換えて中野で降りるというルートを取った。そのルートだと、電車の事故でもない限り、時間に遅れることはないからである。

 高田馬場駅でゲンダイを買った。新宿や高田馬場といった大きな駅では、ゲンダイの早版が午前11時半過ぎには売られている。

 わしがレジにゲンダイに手を伸ばそうと思ったら、わしより先に団塊野郎が夕刊フジを手にした。思わず、
「このバカ野郎が」と呟いたわ。人が何を買おうと自由だがよ、夕刊フジを買う奴の気がしれん。

 今日のゲンダイの政治面も
「素晴らしい」の一語であった。

 
『平和安全主義のネーミングに、国民をなめ切り、けむに巻こうとする安倍のデタラメで不遜な考え方が集約されている。本当に卑劣で『恥ずかしい』男である」 御意。

 床屋のおばさんは中野に店を移転してから、1人で店を切り盛りしていた。さすがに、それではきつかったのだろう、パートのおばさんを雇った。

 が、パートのおばさんを4月でクビにしたくせぇ。それで、延々、パートのおばさんの悪口を聞かされた。

 
「65にもなって、だらしない」「40歳の息子がチャランポラン」「お客さんに挨拶ができない」などなど。その間、わしが吐きまくっていたのは書くまでもない。

 気持ちはわかるにせよ、客にそんな愚痴を言うかよ。相変わらずと言えば、それまでだが。

 昨日は7人こなして、クタクタになったという。今日はわし以降は予約が入っていないから、
「早く帰れる」と喜んでいた。

 ただ、明日は朝から予約でいっぱいだそうだ。その中には、千葉の大網から来るお客さんがいると聞いて驚いた。

 今、調べたら、中野−大網は片道1時間40分ほど掛かり、交通費は片道1320円だった。そこまでして来店するほど、床屋のおばさんの腕はいいわけである。

 わしが耳クリーンなるサービスを受けていたら、若い女性の、
「予約していないんですけど、マッサージをお願いしたいのですが」という声が聞こえた。

 
「マッサージのみは出来ないですけど、顔剃りにマッサージを加えたら出来ます」と、床屋のおばさんは答えた。若い女性は、「それでお願いします」と応じた。

 床屋のおばさんは、
「今のお客さんに、あと30分ほど掛かりますけど、いいですか?」と尋ねた。若い女性は、「じゃ、その辺で時間を潰してきます」と言って、店を出て行った。

 床屋のおばさんによると、単なるマッサージだけでは、届け出違反になるのでダメだとのことであった。

 その若い女性は妊婦だそうである。
「だから、ストレスが溜まっているのでしょう」と、おばさんは分析した。

 その妊婦にとっては、わしの予約が2時からで良かったな。3時からだったら、1時間半待つところであった。さすがに、そんなに待たんか。

 読売−西武が読売の勝勢になったので、なでしこジャパンのイタリア戦を少し見た。

 イタリアの監督がアントニオ・カブリーニだと? カブリーニって、あのカブリーニだよな。

 カブリーニは、82年スペインW杯の優勝メンバーで、左サイドバックでベストイレブンに選ばれた名手であった。また、イケメンとして大人気であった。

 もっとも、今も昔もイタリア代表は伊達男揃いだが。当時40歳のじじぃだったゾフと土人のバロッテリは、その例外である。

 午後8時半の現在も、筋肉痛で悶えている。明日も筋肉痛が残っていたら、そこに鍼を打ってもらうか。

 しかし、わしも情けない。ミニレッスン1回で、こうなるとはよ。

 明日には筋肉痛が収まっていくされ!

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