上には上がいる

　プー太郎生活315日目。

　現在、８時半過ぎ。小太郎が爆睡している。

　小太郎をとっつぁんとのデートに連れて行き、けっこうな距離を散歩させたので疲れたのだろう。

　小太郎は、とっつぁんの車の中で珍しくクンクン鳴いていた。ションベンをしたいのだと思って車を止めて歩かしたら、ションベンをした。車の中でＫＯされなくて良かったわ。

　とっつぁんは、小太郎を写メールで何枚か撮った。頼むから、かみさんに見つからないでくれよ。

　無類の動物好きのかみさんに小太郎のことを知られたら、ハガいことになるのは必至だ。

　とっつぁんのかみさんは、駅前にオープンしたスポーツジムに通いまくっているくせぇ。休館日以外は友達と毎日行って、家とジムとを日に３往復も４往復もしているそうである。

　そのスポーツジムでもフラメンコの教室やボクササイズの教室など数多くの教室があって、そのほとんどに参加しているとのことであった。

　それじゃ、わし以上じゃねぇか。なんでも、上には上がいるものである。

　だが、とっつぁんとしては、「それで、わしは救われている」と言っていた。かみさんに遊園地や歌舞伎に拉致されないで済んでいるからである。

　ただ、「食糧事情が以前にも増して酷いことになっている」と吐いていた。毎度の食事がスーパーの惣菜たぁな。

　それなら、まだわしの方がまし。わしは、外食で温かい物を食っているからな。

　明日は、前の職場のＯＢ会が催される。大酒飲みのおっさんの尽力で、元上司、大納言、じじぃらオールスターが勢揃いする。

　なんといっても最大の目玉は、元直属の上司の参加である。パーキンソン病に冒された元直属の上司と再会できるとは夢想だにしていなかった。

　しかし、年賀状には、「１日のほとんどを寝て過ごしています」とあった。それで、本当に新宿まで出て来れるのか？　

　なお、とっつぁんは不参加である。確執関係にあった元直属の上司や折り合いの悪かった元上司が来るから、出席したくないのだろう。

　高田馬場の歯科医院の予約をキャンセルしたし、明日は、後顧の憂いなく、ＯＢ会に出席できる。

　明日のＯＢ会に備えて、今日は10時間睡眠だ！