今更、この野郎

　プー太郎生活660日目。

　あんだ、今日の強風は。ティップネスで風呂に入ったから、帰り道で湯冷めをしてしまった。
　
　号泣組翁とのハネムーンが控えているので、風邪を引いたらシャレにならん。用心して、今日も早く寝よう。

　ティップネスでレッズ命の兄ちゃんに、「レッズ、なかなか優勝できないです」と愚痴られた。誰かに訴えたい気持ちはわかる。

　それにしても、レッズは勝負弱い。勝負手同士のリーチ合戦で毎回のように相手の当たり牌を掴んでいるような感じである。

　だが、レッズは、今日のＡＣＬの第１戦で勝った。アウェイでの勝利だし、ティップネスの兄ちゃんも、ちったぁ納得しただろう。

　マンションに着いて郵便箱を開けたら、前のアパートの管理会社から封書が来ていた。この野郎、今頃になって、そんなもんを送って来やがってぇ。

　封を切ったら、フザケた挨拶文と預り金清算書が入っていた。

　「前略　その後、いかがお過ごしでしょうか。下記の通り、預り金清算書をご送付させていただきますので、ご確認のうえ、ご入金下さるようにお願い申し上げます。敬具」　

　何が、「その後、いかがお過ごしでしょうか」だ。大きなお世話だ。

　預り金清算書は、難癖そのものだった。以下に、その主だったものを記したい。

　「クロスにつきまして、玄関から浴室ドアにかけての壁に酷いカビ汚れが発生していました。また、居室の壁にペットのオシッコと思われるシミ汚れがありました。今回、除菌・洗浄しましたので、費用は一式10000円とさせて頂きました」

　「巾木につきまして浴室ドア下が傷んでおりました。今回、取換となりますが、費用は材工込みで一式8000円とさせて頂きました」

　「玄関ドアや居室の窓枠につきまして塗装が傷んでいました。今回、再塗装となりますが、費用は一式12000円とさせて頂きました」

　「クロスにつきまして、居室の一部壁にペットの悪戯と思われる引っ掻き傷がついていました。張替ないと直りませんが、高額費用となりますので、部分直しということで10800円の損害金とさせて頂きました」

　「建具につきまして、間仕切ドアの下先端部分や押し入れ下枠に傷がついておりました。今回、補修代として一式10000円とさせて頂きました」

　確かに、デタラメに使ってはいた。しかし、そんなに請求される覚えはねぇ。

　今となっては確認しようがないのがハガい。転居して３か月もしてから送付して来たのは、あいつらの作戦だと思われる。

　「上記の結果、不足金額が26764円となりましたので、下記の口座にご入金下さるようにお願いします。なお、何かご不明な点がございましたら、ご連絡をお願いします」　

　やはり、あいつら、端から敷金を返すつもりがなかったな。証拠を見せないで不足分を請求してくるとは、悪質宇宙人・メフィラスそのものだ。

　退去の際、立ち会ったおっさんが、「２〜３万の不足になると思います」と言っていた。そして、その通りになった。

　立ち会い時、おっさんはロクに部屋をチェックしなかった。わしから金をふんだくることを初めから目論んでいたに違いない。

　頭にきたので、その管理会社の悪辣ぶりをネットに書き込んでやろうと思った。が、あいつらのことだ。「営業妨害」などと、因縁をつけてこよう。

　もう相手にせずだ。それが賢明であろう。

　こうしてみると、引っ越して正解であった。あいつらと縁が切れて良かったぜ。

　その管理会社が潰れんもんか。その前に悪人ヅラの社長をブン殴ってやりたいわ。

　と激怒していたら、翁から木曜に出勤要請のメールが来た。翁をハグしまくって、今日の憂さを晴らしたい…。