大会11日目

 プー太郎生活809日目

 言葉が見つからん。

 高校野球を見始めて40余年。こんな幕切れは初めてだ。今後も経験することはないだろう。

 誰もが試合終了と思った。アナも、
「試合終了!」と絶叫した。

 それが、まさかの一塁セーフ。それで、
「気持ちを切るな」と言う方が無理。打たれた柿木を攻める奴は、誰もいまい。

 それにしても、残酷なサヨナラ劇であった。
「さ、準々決勝だ」と思ったのが、3年生には高校野球生活の終わりになるとは…。

 特にエースの徳山が気の毒だった。
「明日は俺が投げる番」とベンチを飛び出したところ、負け投手にならないまま甲子園から去ることになったのだからな。

 あの一塁セーフは、何が起こったか、わからなかった。しかし、ビデオで見たら、確かにファーストがベースを踏んでいなかった。

 ファーストは、ショートがセカンドに送球すると思って気を抜いたのか? それは大阪桐蔭らしからぬミスと言えるのか? 

 
「大阪桐蔭らしからぬ」と言えば、今日も攻守におかしかった。内野フライを取り損ねたことも、長谷川のストレートに差し込まれ続けたことも、百戦錬磨の大阪桐蔭ナインらしくなかった。

 サヨナラの前に話が戻るが、ツーアウト2塁の場面でスリーボール・ノーストライクになって時点でバッターを歩かせたのが不可解であった。
「サヨナラのランナーになるぞ」と思ったら、本当にそうなった。

 ところで、9回裏は徳山の投入をムーミンは考えなかったのか? 1点差の9回裏の守りは経験が浅い2年生の柿木には荷が重いと思ったが…。

 むろん、それは結果論。ムーミンの決断に間違いはなかったと思われる。

 さて、仙台育英であるが、1度死んだ身だから、明日の広陵戦は無欲で戦えよう。長谷川が今日の調子ならば、明日の広陵戦も十分に勝機があると見た。

 気を取り直して、第1〜3試合を振り返りたい。

 朝早く起きた甲斐があったわ。盛岡大付−済美がホームランの応酬の熱戦になったからである。

 わしは、ホームランが打てるバッターが好きなんじゃい。ったく、長嶋茂雄じゃねぇぞ。

 ホームランの威力は凄まじい。それも満塁ホームランともなれば、相手に与えるダメージがとてつもなく大きい。

 その満塁ホームランが5回表とその裏に出るたぁ。そんな試合も記憶にないな。

 と思ったら、1試合に2本満塁ホームランが出ること自体が史上初か。本当に驚いたわ。

 盛岡大付が7回表にスクイズを失敗した後に、異色のデブ2番に勝ち越しソロが出て、そのまま7−6で9回表に入った時は、
「盛岡大付が負けた」と思った。
 
 ところが、大会屈指の長打力のある植田がボール球をバックスクリーンに同点ホームラン。やはり一発のあるバッターは怖ぇ。

 植田は、10回表にも勝ち越した後にスリーランを打った。それで試合が決まった。

 済美も3人のリレーで必死の投手リレーを見せたが、19安打も食らった。さらに、6回以降は1安打。それでは勝てん。

 ここでNHKに大喝だ。10回表に入るところでニュースを入れやがってぇ。TPОを考えろ。

 高野連にも大喝だ。第1試合が終ったところで、勝ち残り校のキャプテンがバックネット前に集まって準々決勝の抽選を行ったのが大きな楽しみだったのによ。

 前橋育英の先発が左腕の丸山というのは、見え見えのチートイリーチであった。花咲徳栄に左バッターが6人いるからである。

 しかし、左バッターの千丸、西田の連続長打などで、花咲徳栄が初回に4点を取った。口火を切った千丸のツーベースがチームに勢いを与えた。

 冷静沈着なキャプテン・千丸をセカンドでベストナインに選出したい。って、気が早ぇ。

 花咲徳栄は、効果的に追加点を取った。初回の4点だけで終わらないのが今年の花咲徳栄。テレビ埼玉で花咲徳栄の試合ぶりを見て、
「強い」と思ったが、総合力では高橋昂也がエースだった昨年のチーム以上である。

 前橋育英は細かいミスをして、中盤、終盤に失点を重ねた。打線が粘っただけに惜しまれる。

 飯島キャプテンは限界だったようである。試合終了の挨拶後に千丸と飯島が抱き合っていたのに、柄にもなく感動してしまったわ。

 岩井監督の勝利インタビュー中に、花咲徳栄の準々決勝の相手が盛岡大付と知って、
「えっ」という声が出た。だから、ひっそりと抽選する形式を止めろよ。

 第3試合は中村尽きる。あの場面でホームランを打つとは思わなかった。

 強肩も凄かった。ドラフト1位で消えるのは間違いない。

 平元は調子が悪くは見えなかったが…。中京大中京戦、秀岳館戦の力投による目に見えない疲れがあったのもかもしれん。

 中井監督は平元をスパッと山本に代えたが、わしもあそこで交代だと思った。それは後出しジャンケンではない。テレビの前で、
「交代だな」と呟いたのを小太郎が聞いている。

 それにしても、リリーフした山本があそこまで好投するとは思ってなかった。中村の決勝ホームランも、山本の好投があってこそである。

 聖光学院の斎藤が号泣していたな。中村に釣り球をホームランされたことと、ピッチャーゴロをエラーして中村に同点タイムリーを打たれたことに悔いが残ったのだろう。

 あかん。まだ第4試合の結末が受け入れられん。今晩はうなされそうだ…。

次の日へ 前の日へ
日記トップへ HPトップへ
大会11日目