大会14日目
プー太郎生活1155日目。
まさか、大阪桐蔭−浦和学院があんな大差になると…。それこそ、「計算外だよ、玄大佐」。
森士監督が言っていたように、渡辺は悪くなかったと思う。それを打ち込んだのだから大阪桐蔭打線は流石だ。
何といっても、根尾と藤原がいるのが強みである。全国ランキング1位と2位の選手が同じチームにいるのは反則じゃねぇのか。それはKKのPLもだったが。
大阪桐蔭にとっては、これまでの試合で今日が最も楽な試合展開であった。今日は、終始、大阪桐蔭のペースだった。
もし左腕・佐野が万全で、6回から佐野が登板していたら、少しはもつれたであろう。って、いい加減、「佐野、佐野」と、しつこいぞ。
大阪桐蔭としては、井阪に甲子園で初ヒットが出たことと、当たっていなかった石川にホームランが出たのは大きい。
今日は、根尾と柿木の出来も素晴らしかったし、史上初の2回目の春夏連覇に向けて大きく視界が開けた。
そこで思い起こされるのが83年の池田である。事実上の決勝戦と言われた中京に勝って、多くの奴が池田の3連覇を確信した。
が、何度も書いているように、わしはそうは見ていなかった。PLを恐れていたし、選抜準優勝の横浜商も残っていたからである。
その点、今大会はPLや横浜商のような強敵はいない。慢心もないだろうから、大阪桐蔭の春夏連覇は堅い。
浦和学院は、グーの音も出なかった。冨二夫ちゃんの言うところの、「いやいや、今日は相手が違いますよ」であった。
とはいえ、浦和学院が好チームであったことは確かである。点差ほどの実力差はなかったと思う。
話をレジェンド始球式をした中西太氏に持って行きたい。
むろん、中西氏の高校時代は知らん。うちのオヤジが、「西鉄時代の中西は凄かった」というのは何度も聞かされていたが。
中西氏の現役時代の伝説はいくつもあり、全盛期は長嶋茂雄以上だったという専門家もいる。
「読売の星」においても、「星一徹は、長嶋、中西の登場まで、史上最大の三塁手」だったという件がある。
ただし、中西氏は名球会なるものに入っていない。全盛期が短かったからだと思われる。
板東英二氏は、「柴田が会員で、中西さんや豊田さんが会員でない名球会に何の意味がある」と、その著書で書いている。
中西氏は85歳か。太っちょ短命説が当てはまっとらん。
中西氏はノーバウンド始球式を披露するほど矍鑠としているが、戦友だった豊田氏、稲尾氏は鬼籍に入っている。
中西氏はバッティングコーチとしては名伯楽で、若松、岩村らの師匠として知られる。ただし、監督としてはシャワシャワだったくせぇ。
江本に、「ベンチがアホやから、野球ができへん」と罵倒されたのは中西氏である。時に1981年であった。
中西氏の話が長くなり過ぎた。第2試合に話を切り換えたい。
済美が勝つとは予想外であった。予想外といえば、済美の先発ピッチャーもである。
それで報徳学園は虚をつかれたくせぇ。攻守に後手後手となってしまった。
今日の試合では、チームの要であり、ランキング3位の小園がバッティングと守備で足を引っ張った。
8回表の先頭打者での打席は、スリーボール・ワンストライクから強引に打って出てファーストゴロに倒れた。小園といえども焦っていたわけか。
傑出した選手がいない済美がベスト4まで来るとは思ってもみなかった。今年のチームは、こじんまり、まとまっているチームという印象である。
そういうチームが大阪桐蔭に勝てるとは思えん。高校野球だから100%はないにせよだ。
第3試合は、下関国際のエース・鶴田にとっては悪夢のような試合になった。6回までノーヒットノーランに抑えていたのに、8回裏に一気にマクられるたぁ。
7回裏に3番の日置が三振に倒れた時は、まじでノーヒットノーランを食らうと思った。それだけ鶴田に翻弄されていたわけである。
8回裏の逆転劇は、小倉監督の策がズバズバ当たった。強攻、代打、送りバント。
麻雀で言えば、有効牌を次々とツモってきて和了ったようなものである。そういう時は国士とかのクソ高い手になる。
また、小倉監督は打つ手も早かった。かわい子ちゃんに見えた先発右腕をスパッと変え、先発の右打ちのファーストを1打席で交代させ、8回裏の逆転劇に繋げた。
坂原監督がインタビューで目に涙をためて答えていたと聞いて、「あ〜」という声が出た。
そりゃ、ハガいわなぁ。打たれて負けたのが、せめてもの救いか。
涙…。近江の2年生バッテリーには、やるせない幕切れであった。
しかし、あのスクイズは、わしは読んどった。9番バッターで左対左だったので、スクイズしかないと思っていたのでな。
「やはり」わしの読みは深い。足達さんも、「やはり」を連発していないで、スクイズがあることを予想せんかい。
ただ、ツーランスクイズとは驚いた。ツーランスクイズを見たのはいつ以来か、記憶にない。
近江の敗因の1つは、吉田を打ち崩せなかったことである。吉田が踏ん張ったというべきか。
さすがに吉田も限界だな。中1日あっても日大三打線を抑え切れまい。
それにしても、逆転サヨナラ負けは残酷だ。近江バッテリーが泣き崩れるのを見てもらい泣きするほど純ではないが、胸に迫るものはあった。
わしは、済美が大阪桐蔭を引いた時、決勝戦は大阪桐蔭と近江の近畿決戦になると思った。それほど近江に勢いを感じていたからである。
ムーミンは、近江が一番嫌な相手と思っていただろう。近江の敗退も大阪桐蔭に追い風になったと思われる。
明日は休養日である。やることが何にもナイマンだぞ。
急遽、メンツ集めをするか…。