大会16日目
プー太郎生活1158日目。
ある時、江藤は田村を篭絡しようとした。
「竹井は勝ち過ぎだ。勝ち過ぎるから人望がない。それが奴の弱点だ」
大阪桐蔭も勝ち過ぎだ。が、だからと言って、かつてのPLのような嫌われ方はされていない。
それは、ムーミンの人徳もあってのことだろう。わしは、ムーミンの下、真摯に野球に取り組む大阪桐蔭が好きだ。
ある時、ヤクザの親玉・増本が竹井を呼び出した。
「ちょっとやり過ぎじゃねぇのか、竹井。レネゲが儲かっていることは結構なことだ。だが、うちの息子の賭場まで荒らされたんじゃ、俺だって黙ってられねぇぜ」
そう脅された竹井の返答が以下である。
確かに、竹井の言う通りである。大阪桐蔭も強いから前人未到のことを成し得たわけだ。
大阪桐蔭が史上初の記録を作れた理由は数え切れない。他校を圧倒する戦力、そして経験値の高さが何より大きい。
今大会の大阪桐蔭は、浦和学院を除いて強力チームと当たらなかったのは幸運であった。創成館、創志学園、横浜、近江あたりと対戦していたら、どうなっていたか?
忘れてはならないのは、予選の履正社戦である。死地から蘇ったことで、「もう負けない」と、選手は確たる自信を得たはずである。
今大会のベストナインは、大阪桐蔭のナインがそのままベストナインではないか? ピッチャーを吉田とする奴もいるだろうが、わしは優勝投手となった柿木を買う。
吉田は限界だったな。序盤こそ何とか凌いだものの、今日はもたなかった。
フレッシュな状態の吉田と大阪桐蔭打線の対戦を見たかったぜ。さすれば、3−1とかのスコアになっていたと思われる。
試合は宮崎のスリーランでほぼ決した。場内も、そういう雰囲気だった。
場内の歓声からして、金足農を応援している奴が多いことが窺えた。が、わしの辞書には「判官びいき」という言葉はない。
大阪桐蔭は吉田に容赦なかったな。2008年の常葉菊川戦の17―0を思い出したわ。
2008年の大阪桐蔭は常葉菊川に対し、2007年選抜での敗戦の10倍返しとばかり、猛攻に次ぐ猛攻を見せた。
ただ、今日は2番手ピッチャーには攻撃がぬるかった。大差で少し気が抜けたのか?
それはそうと、雨だと休むおっさんよ、「試合中にメールして来るな」と言ったろ。
「何で根尾が先発でないの?」
そんなもん、ムーミンに聞け。わしは知らんよ。
そういうメールをして来たということは、雨だと休むおっさんは大阪桐蔭に肩入れしていたくせぇ
って、あんた、秋田の隣県出身だろ。金足農を応援せんかい。
それにしても、東北勢は優勝できんな。もっとも、今日は相手が悪すぎた。
若生デブ監督がダルビッシュ3年時に、「このチームで優勝できなかったら、しばらく東北勢は優勝できないだろう」と言った通りとなっている。
今年は、大阪桐蔭というスーパーチームの存在で盛り上がった。来年はどういう大会になるか、全く予想がつかん。
あ゛〜、終わってしまった。いくらなんでも早すぎる。
明日から何をやったらいいのか? 何を日記に書けばいいのか?
ワールドカップ、予選、甲子園大会…。真っ白に燃え尽きた…。