錆びた刀
プー太郎生活2049日目。
ティップネスでわしに水泳を指南してくれた御年81歳のじぃさんが復帰した。
風邪でしばらく寝込んでいたのか? ともかく元気な姿を見られたのは良かったわ。
ただ、わしの素性とかを聞こうとするのがうざったい。そんなもん、ほっとけ。
まあ、じぃさんからすれば、まだまだ働き盛りの奴がウィークデーの昼日中にアホみたいに来るのが不思議なのだろうな。
適当なことを言ってお茶を濁しているが、そのうち、「いいじゃないですか」と言いそうだ。
帰宅して郵便受けを開けたら、「近代麻雀」4月号が入っていた。
表紙に「2021 4」とあることからして、月に1度の発売になったようである。
それにしても、麻雀漫画雑誌の需要の落ち込みは目を覆わんばかりである。
最盛期には月に10冊近く発行されていたのだが…。そのほとんどを買っていたわしは何だったんだよ。
そのわしにしても、押川雲太朗氏の「錆びた刀」が掲載されていなかったら、「近代麻雀」4月号など眼中にないところであった。
「錆びた刀」は他の連載陣とは一線を画しており、読み応えがあった。押川雲太朗氏の漫画に外れが少ないのを再認識したわ。
ただし、「麻雀小僧」は、わしの性に合わなかった。主人公が軽すぎるからである。
それは多くの読者も同じだったくさく、連載中にも関わらず、「近代麻雀」から淘汰された。
「錆びた刀」の主人公は雀ゴロ・樫原で、脇を田村と鎌田が固めている。
雀ゴロ稼業だった樫原は、鎌田がマネージャーの雀荘で裏メンとして働いていた。
が、安定した生活を得た代わりに、雀ゴロ時代の鋭い感性を失って行った。それが「錆びた刀」の表題の意味である。
物語の終わりで、樫原は鎌田の雀荘の正規メンバーの田村と100万の差し馬をする。
最後に国士をツモって樫原が逆転するのだが、以降、裏メンを辞め、元の雀ゴロ生活に戻ることになったのである。
以下は、樫原の部屋である。
家具が何にもナイマンなのが如何にも雀ゴロの部屋である
ここでナゾなのは、雀ゴロが部屋を借りられたことである。蛇の道は蛇で、裏社会の人間が仲介したのだろうか?
鎌田の金言:競馬がヘタクソな奴に聞かせてやりてぇ
790円もしくさ ったから、他の連載漫画にも目を通そうと思ったものの、ペンタッチだけで読み気が失せた漫画がいくつもあった。
福本伸之の漫画にしても、主人公の顔が福本漫画らしくなかった。そういうこっちゃいかん。
その主人公の小僧と70歳のじぃさんが対戦しているが、どうにも読む気がせんかった。
福本漫画には巨万の富と権力を持つ因業じじぃが必ずといって言いほど登場する。
「アカギ」の鷲巣しかり、「カイジ」の兵頭しかり、「銀と金」の蔵前しかりだ。
福本伸之は大金持ちのじじぃが嫌いなのか? そうとしか思えん。
「むこうぶち」がまだ連載中なのに驚いた。もう20年以上も続いているぞ。
あれだけ金を稼いだんだから、傀も引退しろよ。それより、傀が老けないのが納得いかん。
ところで、麻雀漫画家はその仕事だけで食えるのだろうか?
何年前だったか、「近代麻雀」に、それを検証した記事が掲載されたことがある。
結論は、「ノー」だったと記憶している。って、そりゃ、そうだわな。
わしも、自分の頭のハエを追えや。いつ何時、弟に助けを請うかもしれないのだからよ。
今日の夕飯では天玉うどんを食った。今のところ何とか食えている…。了