大会12日目
プー太郎生活2567日目。
大阪桐蔭、敗れる。
この衝撃の結果に、まだ茫然自失としている。
下関国際が難敵であることはわかっていた。しかし、負けるとは思ってもみなかった。
大阪桐蔭の最大の敗因は、リードしている展開であっても大きく突き離せなかったことである。
特に痛かったのが7回裏のトリプルプレーである。
ノーアウト1、2塁からバントエンドランを仕掛けたのがフライになってトリプルプレーとなった。
トリプルプレーを食らったチームが勝った試合は、わしの記憶にない。
8回裏もワンアウト2、3塁で無得点。それでは相手に流れが行くわな。
9回表は、最初から1点負けている下関国際が押せ押せであった。
驚いたのは場内の雰囲気である。大阪桐蔭は地元なのに、下関国際への応援が凄かった。
大阪桐蔭が勝ち過ぎていることへの反感か?
下関国際が9回に逆転したことで、大阪桐蔭の勝ちの目がなくなった。
再三チャンスを逃した後の最後の攻撃は三者凡退で終わるもの。実際、三者凡退で試合終了となった。
大阪桐蔭が立ち上がりに2点を先制した時は、「相手が違いますよ」(原田冨士男氏)が頭に浮かんだ。
だが、走塁ミスで2点止まりだった。それが後々響いた。
その走塁ミスであるが、2点取ってのワンアウト2塁からセンター前へのゴロのヒットでセカンドランナーが3塁で止まった走塁である。
もし初回をビッグイニングにしていたら、大阪桐蔭が押し切ったであろう。
初回の得点が2点止まりだったことで下関国際に食いつかれた。
下関国際の粘りに大阪桐蔭が勝っている雰囲気でなかったことは確かである。
最後は前田が打たれたが、先発が前田でなかったのにも疑問を感じた。
下関国際の投手力を考えたら、そうは得点できないのだから、前田の先発が正解ではなかったか?
さもなければ経験値の高い川原を先発させるべきであったろう。
だから、わしは結果論の鬼なんじゃい。
それにしても、下関国際のしぶとさは恐るべしであった。大阪桐蔭に臆するところが全くなかった。
また、リリーフした仲井が大阪桐蔭打線を飲んで掛かっていたように見えた。
その下関国際をCランクとした日刊スポーツの記者は腹を切れ。
それほどあり得ないデタラメなランク付けだ。
こうしてみると、春夏連覇が如何に難しいかということである。
春夏連覇が確実視されていた今年の大阪桐蔭でも達成できなかった。
ムーミンが、「2012年や2018年のチームの方が上」と言っていた訳がわかったわ。
気を取り直して、第1試合から振り返りたい。
試合開始が45分ほど遅れたことで7時半起きが無駄骨となった。
その代わり朝ドラトラップからは免れることができたが。
愛工大名電が優勢と見ていた第1試合は全く予想外の展開となった。
仙台育英の先発ピッチャーが左腕だったので、左バッターの多い愛工大名電打線は打ちあぐむと思った。
そしたら打ちあぐむどころの騒ぎではなかった。4回までノーヒットで、5回にようやく初安打が出た。
多彩な攻めで得点を重ねられて点差が広がっていたことに対する焦りもあったのであろう。
仙台育英の攻めは見事であった。特に2回裏のツーアウト3塁からのセーフティーバントの2点目が鮮やかだった。
この2点目は愛工大名電ナインには心理的ダメージの大きい失点だったはず。
仙台育英の須江監督は、5回まで好投した左腕を降ろし、6回からエースナンバーの左腕を投げさせた。
今日は左腕で押すという作戦を貫いたわけだ。
前半の攻めの見事さといい、今日は須江監督の采配が光った。
これはもう佐々木前監督の復帰の目はないな。
浅野は山田との勝負には勝った。だが、チームは敗れた。
最大の敗因は投手起用にあったと思う。
それほど疲弊していないエースの渡辺が先発でなかったのは何故か?
しかも、2番手も渡辺ではなかった。その2番手が6回に乱れたところで、ようやく渡辺の登板となった。
さすがにそれには解説の川原崎さんも疑問を呈していた。
「ここで変えるのなら回の頭からでも良かったと思います」
松永玲一氏や原田冨士男氏ならともかく、川原崎さんがそう言うのは珍しい。
珍しいといえば、ワンアウト1、2塁での浅野への申告敬遠である。
いや、これは珍しいというか、考えられない指示と言える。
山田といえども、申告敬遠をしてのワンアウト満塁を凌げというのはムリゲー。案の定、逆転された。
逆転のされ方が悪かったし、エースの渡辺が前の回から登板していたので、近江には厳しい展開となった。
それをその裏によく逆転したものである、もっとも、記録に表れないエラーも含めて守備のミスが幾つも絡んでいたが。
浅野への申告敬遠は、勝利インタビュー監督で多賀監督も、「自分のミス」だと言っていた。
とはいえ、勝てば官軍。それでも、なお疑問の残る申告敬遠であった。
近江としては、8回に右足の負傷で降板した山田の状態が懸念される。
それだけに明日の休養日は近江には何よりである。
山田が降りた後、左腕がよく1点を守った。
8回の登板時はワンアウト1、2塁で、バッターは浅野だった。
その打席では浅野が力んだようである。浅野が倒れたことで、「高松商の勝ちはないな」と呟いた。
その辺の勘はまだ働くくせぇ。いや、誰だって、そう思うわい。
勝った近江であるが、大阪桐蔭が敗れたことにナインは落胆していよう。
第4試合は点差が開いたこともあり、呆けて見ていた。杉本さんも解説も、あまり頭に入って来なかった。
しかし、九州学院のエースが4番手で登板って、どういう理由だったのか? 杉本さんも吐いていたわ。
これで準決勝の第1試合は東北勢対決となった。仙台育英の優勢は否めないところである。
第2試合は下関国際の勢いに分があると見た。山田の怪我もあるし。
大阪桐蔭ショックは明日も続くだろう。
なにせ、秋の段階からずっと大阪桐蔭の動向を気にしてきたからな。
なんにせよ、明日はティップネスに行く。ティップネスでストレスを発散させたい。了