大会13日目

  
 プー太郎生活2931日目。

 
「先行逃げ切りが得意な仙台育英に対し、序盤にビッグイニングを作れれば理想的」 

 朝日新聞の仙台育英-神村学園の展望記事に、そう書かれていた。

 2回表に神村学園が1点を先取し、なおもワンアウト2、3塁。

 ビッグイニングを作れそうだったが、7番、8番が連続三振。

 ここが1つの分岐点だったのは確かである。スクイズでもう1点取っていたら、仙台育英は慌てたであろう。

 今夏で2度目のリードを許した仙台育英は、その裏、すかさず同点。

 これは3回戦の履正社戦と同じパターンであった。

 同点にされて、神村学園ベンチは黒木をリリーフに送った。

 わしは、このリリーフを早すぎるとは思わない。

 先発右腕を続投させていたら、それこそビッグイニングになっていた可能性があったからである。

 勝負は3回裏の4点で決まった。なんといっても、セーフティースクイズがフィルダースチョイスとなったのが大きかった。

 それにしても、鈴木のセンターオーバーのツーランが効いたな。

 そのホームランで3回裏は仙台育英の方がビッグイニングとなった。

 黒木はその後は8回の1失点だけだったことからも、3回裏の4点が如何にものをいったかがわかる。

 仙台育英は、今日は継投が決まった。

 高橋に神村学園打線がタイミングが合っていたところがあったから、クーリングタイム後の湯田へのスイッチは絶妙だったと言える。

 湯田はランナーこそ出さなかったものの、けっこういい当たりをされていた。

 実際、全体を通して、いい当たりは神村学園の方が多かった。

 そういう試合を盗塁などを絡めて勝つのが仙台育英の勝負強さというわけか。

 この試合で高校野球の怖さを実感したのは、それまで11打数ノーヒットだった神村学園の2番バッターが3安打したことである。

 しかも、タイムリーも打った。もし神村学園が勝っていたらラッキーボーイになっていたところである。

 慶応は、選抜で敗れた仙台育英と戦いたかったはず。

 その仙台育英に先に勝たれると嫌なものである。

 が、慶応が今大会で台風の目になっていた土浦日大に快勝した。

 点差こそ2点だったが、危なげない勝利だったと言える。

 最大の勝因が小宅の好投だったことは南海権左でもわかる。

 小宅は低めにボールを集め、連打と長打を許さなかった。

 それが完封できた大きな要因だったことも南海権左でもわかる。

 ただし、慶応の攻めはシャワシャワ気味だった。それは森林監督も認めていた。

 もし負けていたら、
「取れる時に取っておけば」と、後悔という名の地獄に落ちていたであろう。

 土浦日大も早めに継投に入った。それで大量失点をしなかったわけだが、今日は打線が振るわなかった。

 ワンアウト3塁の形を作れなかったから、小菅監督としても仕掛けるチャンスはなかったわけだ。

 これで決勝戦は、準決勝の戦前の予想通り仙台育英-慶応になった。

 両者が選抜大会の1回戦で対戦していたことは、誰もが知っているだろう。

 その時は1-1でタイブレークに入り、仙台育英がサヨナラ勝ちした。

 その時とは先発メンバーが異なっているし、今度は違う展開になるのは明白である。

 それでも仙台育英がやや優位か? だから、慶応にとって仙台育英はラスボスと言える。

 ともに優勝候補と目された仙台育英と慶応が決勝戦に進出したが、両校とも大きな山を越えてきた。

 仙台育英は履正社戦、慶応は広陵戦が最大の山だった。

 そういう試合に勝たないと大きく勝ち進めないことは球史が物語っている。

 あ゛~、今大会もあと1試合になってしまった。もう気分は秋だ。

 しかし、決勝戦がある。最高のカードになったので、決勝戦を楽しみたい。了

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