ロッカーが開かない!

 
 プー太郎生活3312日目。

 今日はティップネスでトラブった。

 プールから上がってロッカーを開けようと思ったところ、ロッカーキーを何度捻ってもびくともしなかったのである。

 これはフロントに電話して国際救助隊に何とかしてもらうしかない。

 しばらくして、如何にも体育会系という感じの兄ちゃんが来た。

 兄ちゃんは最初にスペアキーでトライした。

 が、ダメ。

 次に力づくでロッカーキーを回したものの、ダメ。

 あに? 
「ロッカーに荷物を詰め込みすぎたことで、それが崩れてカギが回る部分に引っ掛かっているのが原因だと思います」だと? 

 確かに色々と荷物を乱雑に入れているが、寒い時期ほど多くはないぞ。

 寒い時期にはジャンパーやセーターなどをクソみたいに詰め込んでいる。

 しかし、1度として中で崩れたことはない。それが今日に限って何でだ? 

 それで、
「業者に来てもらってカギの交換になる場合はシリンダー代を払ってもらいます。とりあえずレンタルウェアを取ってきますね」と言われた。

 プールから出てきたので、わしは海パン姿だったのである。

 それはいいとして、業者が来るまで待っているのも、シリンダー代を払うのもクソハガい。

 ティップネスの会員になって9年。これだけ嵌ったのは初めてだ。

 わしが吐いているのを周りのじじぃどもが注視していた。

 麻雀における他人同士の振り込みに心が洗われるのと同じく、人のトラブルは蜜の味というわけだ。

 程なく兄ちゃんがレンタルウェアを持ってきた。

 そして、
「やるだけのことをやってみますね」と言って、ロッカーの隙間にクソ細い板状のものを突っ込んだ。

 しかし、それもダメ。

 それでなんと、
「今から思いっ切り蹴りを入れます」と予告して、ロッカーのカギ差し込み部分に蹴りを入れた。

 それでロッカーキーを差し込んだら、ロッカーキーが回転してロッカーが開いた。

 それを見ていたじじぃが、
「さすが日本キック協会なんたらかんたら」と、のたまわった。

 そうか。兄ちゃんは格闘家でもあるのか。

 なるほど。だからキックに破壊力があったんだな。

 ともかく、助かった。待たされるのも金を払うのもシャレにならないからな。

 兄ちゃんは割とマジなトーンで、
「今度から気をつけて下さい」と、わしを注意した。

 ティップネスでわしが注意を受けるのは2度目。

 例のわしを注意した男に、サウナの電気スチームに水を掛けて時に注意されたのが1度目である。

 ロッカーが開いたことで海パンを中に入れ、タオルを取り出して、風呂場に向かった。

 で、風呂から引き上げてロッカーを開けようとしたら、何とまた動かなかった。

 いったい、どういうことだ? 再度兄ちゃんに蹴りを入れてもらうことになるのか? 

 ダメ元でカギの差し込み部分をぶっ叩いたら開いた。

 ということは、そのロッカーのカギ自体がイカレているんじゃないのか? 

 そうとしか思えん。だとしたら、わしは冤罪だ。

 もういい。金輪際、71番のロッカーは使わないこととする。

 蹴ったクソ悪い気分のまま帰宅してから、録画したパドレス-ブレーブスを再生した。

 やはりポストシーズンの迫力、雰囲気はレギュラーシーズンとは全く別だな。

 大谷がポストシーズンへの出場を切望していたのは、むべなるかなだ。

 試合はパドレスが4-0で快勝した。

 ブレーブスには、サイヤング賞が確実視されているエース左腕のセールが背中の痛みでロースターから外れていることがクソ痛い。

 それに、右のエースのストライダー、昨年のMVPのアクーニャ・ジュニア、強打の三塁手のライリーも欠いている。

 それでよくワイルドカードの2位になれたものである。

 今日の試合でのパドレスの4点目は、キャッチャーのヒガシオカのソロホームラン。

 ヒガシオカはシーズン18ホーマーだから打てるキャッチャーというわけだ。

 その名前からして日系なのは南海権左でもわかる。

 次回のWBCでヒガシオカを日本代表に招聘したらどうか? 

 今日は青木の引退試合だったのか。

 だったらDAZNで見るんだった。わしとしたことが不覚だ。

 ヤクルトは青木の引退に勝利という形で花を添えた。

 ハガいのはヤクルトに死に馬キックを食らった広島である。

 今日の敗戦でCSにも出られずか。

 終盤戦に首位に立ちながら、この結果とはクソハガいもいいところ。

 マツダスタジアムで読売に3連敗を食らったことでチームにガタが来たことは確かである。

 クソ~、まだ気分が悪い。

 蹴りを入れた兄ちゃんにも、それを見ていたじいぃどもにも、わしがだらしない人間と思われていると思うからだ。

 こういうハガいことがあると他にもハガいことに見舞われるのは経験済みである。

 ここ1週間ほどは特に気をつけて過ごしたい。了

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