高床式住居は、熱帯多雨地域の東南アジアに多い家屋です。その原形は杭上家屋と考えられています。杭上家屋とは、熱帯地方に見られる河岸・湖岸・海岸上に杭を打って立てた住居のことです。
高床式住居を写真や映像で見ると、熱帯多雨地域の自然環境によく適応していることがわかります。急傾斜の屋根は、強い日射と激しい降雨を避けるために作られたものです。高床にして梯子をかけているのは、洪水から家を守るためです。熱帯地方の雨季では、すさまじいほど雨が降ります。そのため洪水が頻繁に起こるのです。
また、熱帯地方には毒ヘビやはオオトカゲなどの爬虫類がいるため、それらが家の中に進入してこないように、普段ははしごをはずしています。さらに高床にしていると湿気を防ぐことができ、土台を腐りにくくできます。そして小割り板の床は清潔さと風通しを良くするために張られています。
同じ高床式の住居でも裕福な階層の住居は木の壁で作られ、大きな窓があるのですが、通常の階層の住居は竹の壁で作られ、窓も小さいという差違があります。
次のページへ進む | 前のページへ戻る |
地理の項目へ | トップページへもどる |