大地震の際には地震の振動による水圧の上昇によって、砂や水が噴出することがあります。沖積層や埋立地のように地下水位が高く、飽和に近い水を含んでいる砂層のある場所では砂の粒子が水中に浮遊した状態になるのです。
これが液状地盤で、大きな地震が起こるとその上の重いビルは沈み、軽いガソリンタンクやライフライン共同溝などは逆に浮き上がります。これを液状化現象といいます。
ここで液状化現象のメカニズムを見てみましょう。河川の下流で粒のそろった細かな砂が堆積した沖積平野のとくに河川の近くでは地下水位が高いのです。このような場所に地震が起きて地面が揺れると水は動かされやすいので、砂粒の間を通って移動しようとします。しかし、砂と砂との間隔は狭いので水は急には流れず、水圧が上がります。砂を押さえつけている土砂の重さよりも水圧のほうが大きくなると、砂粒は一時的に水に浮いたような形となります。そして、建物は水に浮いたようになり沈んでしまうのです。これが地盤の液状化現象です。
液状化現象は、1964年の新潟地震の際や阪神・淡路大震災の際に多くの場所で発生しました。首都圏に地震が起こった場合、この液状化現象による被害も大いに心配されています。
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