日本のえび輸入


 日本は世界最大の水産物の輸入国です。その理由は、国内消費の多さにあるでしょう。

 日本が最も多く輸入している水産物はえびです。日本人は一人当たり年間平均70匹のエビを食べていると試算されていますが、これはもちろん世界一の数字です。

 日本のエビの輸入先は、インド、タイ、インドネシア、ベトナムなどです。これらの国では、水田やマングローブ林をエビ用の養殖池に変えて、えびの生産量を増やしています。現地の農家にとっては、米を作って売るよりもえびを売る方がはるかに儲かります。

 しかし、水田をえび用の養殖池にするのにはリスクがかなりあります。というのは、えびを養殖するには海水を用いますが、海水を入れた田んぼでは二度と米が生産されなくなるため、失敗が許されないからです。

 そのうえ、えびはデリケートな生き物なので、ケアをしっかりしないと全滅してしまうことがしばしばあるのです。また、エビの養殖のためにマングローブ林が大量に伐採され、現地では新たな環境問題になっています。

 それでも、アジアの国々では、一攫千金を目指してえびの養殖に水田を転化する農家が後を絶たないのが現状です。


次のページへ進む 前のページへもどる
地理の項目へ トップページへもどる