地球上のオゾンの大部分は成層圏に存在し、オゾン層と呼ばれています。オゾン層は太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収し、地球上の生物を守っているのです。
昔は紫外線が直接陸に達していたため、地球上の生物はオゾン層が形成されるまで陸に上がることができませんでした。オゾン層ができて紫外線が陸地に届かなくなったおかげで、生物が陸に上がることができるようになったのです。
近年、このオゾン層がフロンなどの人工の化学物質によって破壊されていることが明らかになりました。フロンは、冷蔵庫やエアコンの冷媒、スプレーの噴射剤などに広く利用されてきました。
フロンが工場などから大気中に放出されると対流圏ではほとんど分解されずに成層圏に達し、成層圏において太陽からの紫外線を吸収して分解し、オゾン層を破壊するのです。
オゾン層が破壊されると紫外線の地上への到達量が増加し、人の健康や生態系に悪影響を及ぼします。具体的には、皮膚がんや白内障を発症させ、農業生産の減少や浅海域の動植物プランクトンへの悪影響をもたらします。したがって、海水浴で皮膚を焼くのは人体にとっては有害なのです。
オゾン層に穴があいたところをオゾンホールといい、その直下では紫外線をまともに受けてしまいます。オゾンホールは南極上空にあるので、オゾンホールに近いオーストラリアの多くの小学生は紫外線防止用のサングラスをして登校しています。
次のページへ進む | 前のページへ戻る |
地理の項目へ | トップページへもどる |