スプロール現象


 都市周辺において、市街地が虫食い状に無計画・無秩序に広がる現象をスプロール現象といいます。都市化の進展により農村部まで鉄道や道路が整備されると、農村の人々の都市への通勤や通学が可能となります。

 スプロール現象が進んだ現在は遠距離通勤者が多いため、都心部と郊外を結ぶ私鉄の交通ラッシュはすさまじいものがあります。とくにラッシュ時の急行や快速の混雑ぶりは殺人的です。

 これに対して、始発駅から近場までしか行かないか、または終点まで行っても時間がかかる各駅停車の列車は、急行や快速に比較してそれほど混んでいません。こうした例は、新宿と町田や神奈川近郊を結ぶ小田急線、新宿と埼玉近郊を結ぶ西武新宿線など、東京の私鉄で顕著です。

 また、スプロール現象によってかつての畑地が次々とマンションや駐車場になりました。東京郊外では畑地がまだ多少見られますが、いつの間にかマンションや駐車場に姿を変える場合も少なくないでしょう。こうして郊外の緑が失われていくのです。



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