インド人の移住


 インド人の移住は、中国人のような商業目的の移住とアフリカの黒人奴隷のような強制的移住に大別されます。

 商業目的の移住としては、ケニア・タンザニア・ウガンダなど東アフリカへの移住がその例です。また、強制的移住の例としては、マレーシアのゴム農園やフィジーのさとうきび農園の労働者としての移住が挙げられます。

 こうした国々の共通点として、熱帯・亜熱帯に位置するということがあります。これはインド人の環境への適応力に関係しているといえます。また、これらのいずれの国々も、かつてのインドの支配国であったイギリスの植民地でした。

 しかしながら、インドからの移住者が現地の先住民と対立を起こすことは少なくありません。ウガンダではアミン大統領の恐怖政治時代に、商才にたけたインド人が国外に追放されました。フィジーでは、国の経済的な実権を握るインド人と政治的に優位な現地人との間で激しい対立が見られます。

 こうした例からも、他民族の移住は少なからず現地人との対立を招いてしまうことがわかります。


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