1980年代以降、日本の工業分野では、安価な労働力を求めて発展途上国や貿易摩擦解消を目的に先進工業国へ、それぞれ工場が進出して行きました。つまり、現地で人の雇用をしたり、部品を調達したりして生産を行う企業が増えていったわけです。
しかし、それに伴い、産業の空洞化が取り沙汰されるようになってきました。産業の空洞化とは、主要産業の海外進出によって国内の産業活動、とくに製造業が衰退に向かうことを言います。
自動車工業やエレクトロニクス工業では部品など関連する分野が多く、中心となる工場が移転してしまうと、その工場と関係があるほかの工場、さらには地域全体の経済に影響が及んでしまいます。
なかでも、下請け企業の多い中小企業が受ける打撃には大きくなります。ですから、日本の中小の工場は、日本の大企業の海外進出で苦境に追い込まれていると言えるでしょう。
産業空洞化を回避し、産業高度化に結び付けていくには、日本の高コスト体質を改善することが重要です。加えて日本が海外企業に積極的に門戸を開いていくことも欠かせないのではないでしょうか。
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