シベリアの住居


 シベリアの凍土地帯には、地下に永久凍土層があります。永久凍土層は夏になっても溶けません。

 しかし、永久凍土層の上に建物があって冬に暖房を使うと暖房の熱で凍土中の氷の塊が水になって流れ、地面が沈下します。すると建物が倒壊してしまいます。そのためシベリアや極東地方の凍土地帯におけるコンクリートの建物は一般に高床式となっています。

 シベリアではどのようにして高床にするかといいますと、真冬に表土が凍った時に蒸気で凍土を溶かしながら穴をあけ、その穴にコンクリートの杭を地下深くまで打ち込みます。そして、土が再び凍ると杭がくっつき、杭が岩盤に打ち込まれたようになります。

 しかし、地球温暖化の問題がシベリア地方でも問題となっています。それは、気温の上昇によって杭を打ち込んだ永久凍土が解け、高床式にした家が傾くからです。

 現在はまだそれほど深刻ではありませんが、このまま地球の温暖化が進むと深刻な事態となることでしょう。


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