地中海性気候


 地中海性気候の最大の特徴は、夏の乾燥が厳しいことです。それを数値で表わせば、夏の最少雨月の降水量は冬の最多雨月の降水量の3分の1未満となります。

 地中海性気候を示す地域はおおよそ緯度35度から40度にかけての大陸西岸で、ヨーロッパ地中海の沿岸のほか、南アフリカ共和国のケープタウン一帯、オーストラリアのパース近郊、チリ中央部などです。

 この地域が夏に著しく乾燥するのは、太陽の回帰に伴って中緯度高圧帯が高緯度側に移動してくることによります。中緯度では熱帯低圧帯から拡散した大気が集まって来るため、中緯度高圧帯が形成されるのです。そして、高圧帯下では地表面に大気が厚く存在するため、上昇気流が起こりにくく、降雨が極端に少なくなるわけです。

 地中海性気候区では夏の乾燥が厳しいことから、昼間は太陽の直射日光をまともに受け、気候が30℃を超える日が少なからずあります。そのため、海水浴や日焼けを目的とした多くの観光客がヨーロッパの地中海沿岸地方へバカンスに訪れます。

 この暑さは地中海地方で栽培されるブドウやオレンジが熟成することにも欠かせないのです。


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