都市郊外の畜産業


 近年、日本人の食生活は大きな変化を遂げ、肉類や乳製品といった畜産品の需要が多くなりました。そうしたことから、都市近郊においても畜産を営む農家が増えています。

 都市近郊は都市に新鮮な畜産品を早く供給できるという有利な点があるものの、都市近郊の畜産家は様々な問題を抱えています。

 その最大の問題は、付近の住民との軋轢です。都市近郊ではスプロ−ル現象が見られ、宅地が畜産農家のすぐそばまで進出するようになりました。その結果、家畜の放つ悪臭、家畜の鳴き声などの騒音といった公害問題が生じてきたのです。

 また、家畜の糞尿など汚物処理の問題もあります。とくに鼻がひんまがるという表現もオーバーではない家畜の悪臭が最も大きな問題となっています。

 悪臭や騒音は環境基本法が定める7大公害に含まれていますが、これらはやむを得ない事情によるものですので行政も抜本的な解決策を見出せずにいます。


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