アンチョビーとはカタクチイワシのことで、イタリア料理やスペイン料理にも用いられます。しかし、その多くは魚粉に加工され、家畜の飼料になります。
このアンチョビーはペルーにとって最も重要な産物であり、かつてペルーはアンチョビーの水揚げによって世界一の水揚げ高を誇っていました。
アンチョビーは寒流のペルー海流に乗って回遊して来るのですが、ペルー海流が温暖化するエルニーニョ現象が起こると、寒海性のアンチョビーは死滅してしまうのです。そのためペルーの漁獲高は不安定なところがあり、漁獲高が年によって大きく違うことがよくあります。
アメリカ合衆国は膨大な家畜の飼料を賄うためにペルーからアンチョビーを家畜の飼料用として加工したものを大量に輸入しています。したがって、アンチョビーの漁獲が不振になるとアメリカ合衆国では家畜の飼料が不足し、肉類の値段が高騰してしまうのです。
それは、アメリカ合衆国から大量に畜産品を輸入している日本にも少なからず影響を与えます。すなわち、ペルーのアンチョビー漁が不振だと日本の畜産品の値段が高くなってしまうのです。
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