地球上に常に吹いている恒常風の一つに、およそ緯度40度から60度に吹いている偏西風があります。
偏西風は安定した気候をもたらし、年間を通して偏西風の影響下にあるニュージーランドは、月による気温差や降水量の差があまりないことで知られています。そのためニュージーランドでは1年中牧草が成育し、羊を放牧できるのです。
偏西風のうちでも、中緯度地方の上空5〜15km付近を流れているとくに強い部分をジェット気流といいます。ジェット気流の風速は50m〜60m/秒で、とくに日本付近は強く、冬季には80m/秒にもなります。
日本から東に向かう航空機は、このジェット気流を利用しています。ジェット気流の吹いている地点まで高度を上げ、その勢いを借りるのです。しかし、日本の西から日本へ向かう航空機は高度を下げ、ジェット気流を避けるようにしています。そのため成田とサンフランシスコを結ぶ航空機の飛行時間は、成田発の方が約2時間早いのです。
次のページへ進む | 前のページへ戻る |
地理の項目へ | トップページへもどる |