イヌイットは、アラスカ・カナダおよびグリーンランドの北極海沿岸に居住するアジア系の民族です。かつて彼らはエスキモーと呼ばれていましたが、エスキモーは差別的用語であるため、彼ら自身の呼称で、「人間」を意味するイヌイットが公式に用いられるようになりました。
昔のイヌイットは、トナカイやアザラシを捕獲すると、不足がちなビタミン分を補充するためにその肉を生で食べていました。しかし、生活の必需品が外部からもたらされると、イヌイットの伝統的生活が大きく変化したのです。
食糧は小麦粉、野菜、砂糖などがもたらされ、缶詰やインスタント食品も普及しました。また、アメリカおよびカナダ政府からの援助で、暖房付き木造家屋が与えられました。そして、犬そりに代わって雪上車がカヤックと呼ばれる木製のボートに代わって金属製のボートが利用されるようになりました。
こうして野生動物を追い求めての移動生活をする必要がなくなったため、イヌイットにおいても定住化が進んでいます。
その結果、現在では、漫画「ゴルゴ13」の第30巻に登場したような野性味あふれるイヌイットが激減してしまいました。
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