シベリアの寒さ


 北半球で最も気温が下がるのは、東シベリアの内陸部です。大陸は海洋に比較して熱しやすく冷めやすいので、東シベリア内陸部の方が海洋である北極よりも冷えます。

 東シベリアの冬には強力な高気圧が発達しますが、その高気圧から冷たい空気が日本海の低圧部に流れ込んでくるため、日本の冬は、西側に高気圧、東側に低気圧という西高東低の気圧配置となるのです。  

 東シベリアの冬は−50℃以下になることもしばしばあります。−50℃の世界がいかにすさまじいかは、「とにかく寒さで目が開けられない。数歩歩いただけで鼻の穴がおかしくなった。鼻水がさっそく凍ったのだ」と、さるレポートにあります。  

 そんな極寒の地をあるテレビ局の取材班が訪れました。その寒さをまざまざと体験した後、モスクワに移動しました。冬のモスクワといえば−20℃を切る日々が続きます。それでも東シベリアに比べて30℃ほど気温が高いわけで、取材班のスタッフは、モスクワに着くと、「暑い、暑い」と言って、次々と服を脱いでいったそうです。

 つまり、−50℃と−20℃はそれほど違う世界というわけです。


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