アルゼンチンのラプラタ川以南約500kmの大草原地帯をパンパと言います。現在、パンパでは牧牛業が発達し、小麦やとうもろこしなどの生産が大量に生産されています。
パンパにおいて牧畜業が飛躍的に発展したのは、19世紀後半から20世紀にかけてです。その最も大きな要因は、肉を腐らせずに遠方に運べる冷凍船の発明でした。
ヨーロッパでは産業革命により人口が急増し、食糧の需要が著しく増えました。そこでパンパで生産された牛肉をヨーロッパまで運ぼうとしたのですが、飛行機が発明されていなかった19世紀後半当時では、船を使うより手立てはありませんでした。
しかし、日時が非常にかかることや赤道上を通過しなければならないことから、生肉のまま輸出すると途中で腐ってしまいます。そのためパンパの牛肉の商品価値は低いままでした。それを救ったのが1870年代の冷凍船の発明だったのです。
パンパのカウボーイのことをガウチョと言いますが、ガウチョの料理として知られる牛肉の丸焼きは、アルゼンチンの名物料理となっています。
アルゼンチンでは牛肉の消費量が多く、日本の50倍以上にも達します。そのせいでしょうか、アルゼンチンの人々には心筋梗塞で命を落とす人々が多いそうです。
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