現在、世界で最も人口の多い国は、いうまでもなく中国です。中国の人口は13億人をゆうに超え、世界の5人に一人が中国人となっています。
中国では、増え過ぎる人口を抑制するために、1979年から一人っ子政策を実施しています。一人っ子政策とは、「一組の夫婦に子供は一人」を原則とするものであり、同政策では、少数民族や夫婦双方が一人っ子である場合を除いて、二人目を産むと高額の罰金が科せられるなど、事実上二人目の出産は許されませんでした。
しかし、大家族主義の残る農村部での反発は強く、地方では「闇の子供」と呼ばれる戸籍に登録されていない子供の数が急増しました。とくに女の子が「闇の子供」になるケースが多くなりました。
責任生産制が導入されると各農家の生産量が増加し、子供はそのまま労働力としてますます重要になりました。そのため農村部では一人っ子政策への反発がさらに強まりました。そこで政府は、農村に対しては、3〜4年隔てれば第二子を生んでも良いなど、近年は規制を緩めたのです。
結果的に一人っ子政策はシャンハイやペキンなどの都市部ではある程度の効果をあげ、中国の人口増加率は先進国に近い水準までになりました。したがって、まだまだ人口増加率が著しいインドに近い将来人口1位の座を譲ることが確実視されています。
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