世界最少雨地


 世界で最も年降水量の少ない都市は、チリ北部のアントファガスタという都市です。アントファガスタはアタカマ砂漠中にあり、年間3mmしか雨が降りません。このようにアタカマ砂漠がすさまじく乾燥する原因は何でしょうか?

 まず一つは、アタカマ砂漠が中緯度高圧帯の影響を年間を通じて受けることです。アタカマ砂漠が位置する回帰線付近には、赤道低圧帯で上昇・拡散した大気が集まってきます。したがって回帰線付近は高圧帯となり、上昇気流が起こらず、降雨がほとんど見られないのです。  

 また、アタカマ砂漠の沖合いを寒流が流れていることも雨が降らない大きな要因です。沿岸を寒流が流れると冷たく重い空気が低層部に集まり、上昇気流が起こらなくなるのです。沿岸を寒流が流れることによって形成された砂漠を海岸砂漠といいますが、アタカマ砂漠は典型的な海岸砂漠です。

 しかし、ほんの少しだけの霧雨によって成長する植物がアタカマ砂漠で見られることは驚きとしかいいようがありません。


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