サハラ砂漠の炎熱


 世界には信じられないくらい気温が高くなるところがあります。クウェートシティやバグダッドでは、4月を過ぎると日中50℃を越える日も珍しくありません。

 こういった都市の人々は夕方から活動し、役所や商店も午後1時から5時までは休みとなっています。

 世界で最も気温が高くなるのはサハラ砂漠一帯です。サハラ砂漠にある原油の産地ハシメサウド(アルジェリア)では、5月から10月にかけては日陰でも40℃を軽く超えます。

 ある夏、ハシメサウド近郊の砂漠を走っていたトラックが故障しました。運転手は砂漠の恐ろしさを知っていたので助けが来るまで車の下で朝の11時から12時間じっとしていたのですが、その12時間で運転手の体重は7kgも減っていたといいます。

 サハラ砂漠を始めとする中緯度の乾燥地域は植物被覆がほとんどないことから、太陽光線の影響をまともに受けてしまいます。そのため、日中50℃を超えるにもかかわらず、夜には0℃近くに気温が下がります。こうした極端な気温の日較差で、岩石は化学的風化作用でバラバラになってしまうのです。


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