対 策


 前回書いたことがトラウマとなって、
休み時間は常にトイレでしゃがんでいるという異常な状態がそれからしばらく続いた。

 つまり、授業中にクソがしたくなるんじゃないかという恐怖から逃れることができなくなくなってしまったのだ。それは高校に進学してからも変わらなかった。

 そして、高校時代は授業中にトイレに行かせてくれと申し出ることができない教師が多かったので、よけいプレッシャーがかかった。特に蛇教師には死を賭して言わねばならないと考えられた。

 
とにかく休み時間ごとにトイレにしゃがんでいたら、こっちの身がもたん。だもんで、朝、学校に行く前に大量のクソをして、スッキリしてから行くように考えたのだ。

 それと、昼休みと寝る前にもクソに行くようにした。つまり、クソ意を催す時間を体に叩き込むことによって、授業中や不測の時にクソ意を感じることがないようにすることを目指したわけである。

 これは効果があった。ただ問題は、朝、家でクソが出なかった時であった。

 こうなると行きの電車の中から落ち着かず、学校に着くなりトイレに駆け込んだものだった。そのため、高校時代はかなり時間に余裕を持って登校していたのだ。まあ、家で出なくても学校でたいてい出たので良かったが、やはり家で出していった方が安心できる。

 そこで、確実に家で出すように心掛けた。
出そうとして力むと出ないから、新聞のスポーツ面を見ながらし、それを読むのに集中していたら自然に出ていたという作戦を取った。

 これは最高に威力を発揮した。しかし、ある時、ひょんなことから新聞を持たずにトイレに入ったらクソが出ないことがあった。習性とは恐ろしいものだ。ったく、バクじゃねぇぞ。

※南米に棲息するバクはそのクソの匂いが強烈で、それが元でジャガーに襲われることが多かった。そこで、クソの匂いが少しでもしないように、ある時期から水中でクソをするようになったという。以来、バクは水中でしかクソができなくなったのだ。


 しかし、それでもやばい教師の授業中にクソに行きたくなる時があった。そういう時の対策も一応立てた。

@授業に没頭してクソ意を忘れる。
Aひたすら腹をさすりまくる。
Bいやらしいことを考えてクソ意をそらせる。

 
以上、どれもある程度効果があったが、特にBが効果的であった。読者にも多少参考になったかもしれない。ただし、下痢にはどの策も通じないことを申し添えておきたい。

 現在もクソ対策を立てていることは言うまでもないだろう。
とにかく、どこに、そしてどんなところにトイレがあるか、頭に入れておくことである。通勤で通るすべての駅のトイレの位置は絶対に把握しておきべきだ。 

 また、歩いている途中や車の運転中に行きたくなった場合は、ホテル、ゲーセン、パチンコ店、病院などに行かれたい。また、お金がかかるけど、喫茶店に入ったり、運転中はガソリンスタンドに駆け込むのも手である。

 わしも、その昔、運転中にクソがしたくなってガソリンスタンドにピットインしたことがある。その時はガソリンが満タンに近かったので、やむなく洗車を頼んだが。

 あと、最近コンビニでトイレが借りられることができるのは非常にありがたい。ただし、何か買わなきゃならないのがハガい。それと、「トイレ貸してください」と言った時のレジの子がかわいい子であった場合もハガい。KO寸前の時など、そんなのは眼中にないが。


 何事も備えあれば憂いなしである。


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